講座の選び方(公認会計士)
予備校の講座の取り方についても簡単に説明します。新公認会計士試験では、短答式試験の免除制度が出来ました。しかも、科目別合格制が導入されました。いずれも2年間という期限付きですが、1年で全てに合格しなくてはならなかったときよりも、はるかに楽になったと思います。
当然ですが、短答式試験の免除制度と科目別合格制度は、全ての受験生に対等に適用されます。誰が有利で誰が不利ということではありません。しかし、この二つの制度をうまく利用できるかで、差がついてくるのは間違いないと思います。自分の実力、時間的余裕、持続力などを考えて、何年で受かるか計画を立て、その計画に応じて勉強したり、講座を選んだりするのが大切になってくると思います。
最長で、3年計画で最終合格を勝ち取ることが可能になったので、いろいろなパターンがあると思います。たとえば、初年度は短答式科目に力を入れて、他は軽く流すという作戦が考えられます。とにかくまずは短答式に受かってしまおうというのが狙いです。その場合、会計論(会計学)、監査論、企業法という短答科目(短答科目は論文科目にもなっています)にボリュームをおいている講座を受けるのがいいと思います。
1年で最終合格したい場合には、全ての科目をしっかりと学べるコースがいいと思います。ただし、短期間で最終合格を果たそうとするあまり、無理をしすぎるのはよくありません。自分の事情等を考えずに、無理に短期合格を目指すのはとても危険です。短い期間で合格しようとすればするほど、講座の密度も濃くなりますし、ハードな勉強も必要になってきます。
仕事をもつ社会人の場合などは特にそうなのですが、無理して講座を受けすぎたりすると息切れを起こしたり、講義についていけなくなったりしまいがちです。残業の有無なども考慮に入れて、多少のゆとりを持って講座を取るようにしましょう。予習と復習の時間も十分取れるような無理のないスケジュールを組むのが大切だと思います。
予備校の講座は、短答合格コース、論文合格コース、1年合格コース、2年合格コースなどというように目的別に分かれていますので、何年で受かるか、択一合格を優先するのか等を決めて、自分の目標にあった講座を選ぶようにしましょう。
答案練習会や模擬試験がコースに含まれているかもポイントです。ただし、答案練習会は必要に応じて、その都度受講するという選択もあります。
現時点での自分の実力を把握するのも大切です。入門コースであるとか、上級コースであるとか分かれている場合には、自分の実力に応じてコースを選ぶことも出来ます。初学者の場合、無理をせずに入門コースを選ぶのが無難だと思います。
自分の実力を把握するという意味でもう一つ大切なのが、簿記の能力です。会計学のうちの財務会計論の中身は簿記と財務諸表論です。「簿財」と略されることもある簿記論と財務諸表論を学ぶに際して、講座によっては日商簿記の学習経験が必要とされるものもありますし、日商簿記レベルからじっくり教えてくれる講座もあります。簿記学習未経験者は初歩からじっくり学びたいでしょうし、簿記学習経験者は初歩は飛ばしてしまいたいところでしょう。
講座によっては、日商簿記3級レベルとか、日商簿記2級レベルと明記されているものもあります。講座を選ぶ際のポイントのひとつになると思います。司法試験合格者、不動産鑑定士合格者、税理士合格者などは一部受験科目が免除されますが、予備校によってはこれらの人たち向けのコースも用意されています。勿論、コースやパックではなく、科目ごとに受講することも可能です。論文式試験で科目合格をした場合には、残りの科目のみを集中して勉強かることになりますから、科目別に講座を受講することになると思います。
どの講座を取ったらよいか分からない時は、自分で悩まず、窓口や電話で相談してみましょう。大抵の予備校では丁寧に個別応対してくれ、分かりやすく説明してくれるはずです。